普通のトラフグよりも1.9倍の速さで成長する「22世紀ふぐ」が開発されたことに、驚きを感じました。
「22世紀ふぐ」の成長速度がこれほど驚異的であるなら、これからの水産業や食品供給にどのような影響をもたらすのか、楽しみではありますが、同時に不安や問題も浮上しています。
そのため、「22世紀ふぐ」のメリットとデメリットを調査しました。はたして、トラフグの未来は明るいのか、それとも暗いのか？
Contents
「22世紀ふぐ」の安全性は？
イチゴやブドウなどの品種改良はOKなのに、なぜ魚の品種改良はNGなのか？
リージョナルフィッシュのCEO梅川忠典氏は、こう語っています。
「イチゴは、野いちごより『あまおう』のほうが美味しいですよね。イノシシよりも、豚のほうが美味しくて育てやすい。でも、魚はずっと魚のままだったんです」
品種改良は長い時間をかけて、もっと美味しく、収穫量も多くなるよう努力します。福岡ではあまおう、広島ではシャインマスカットなどが品種改良されました。
もちろん牛や豚、鶏などもそのように品種改良されています。ケンタッキーFCで美味しいフライドチキンが、わずか1本200円ほどで買えるのも、品種改良のおかげです。
しかし、「22世紀ふぐ」については、有識者や市民団体の間で意見が分かれています。一部の市民団体はこの新しい「22世紀ふぐ」に対して、食の安全性と安心感に関する懸念を抱いています。
一方で、「22世紀ふぐ」を供給するリージョナルフィッシュ社は、安全性に関する懸念を考慮し、厳格な品質管理基準を設定していると主張しています。
「22世紀ふぐ」メリットとデメリット
「22世紀ふぐ」メリット
1.9倍の高成長トラフグ
「22世紀ふぐ」は、ゲノム編集技術を用いて開発された高成長トラフグです。このトラフグは、通常の養殖トラフグと同じ生育期間内で平均1.9倍の体重増加を実現するため、通常かかる2年以上の出荷期間が短縮できます。
42%飼料効率の向上
さらに、このトラフグは飼料の効率も42%向上させ、飼育期間の短縮や飼料の削減によって生産コストを低減し、環境負担の軽減が期待されています。
「22世紀ふぐ」デメリット
- 安全性への懸念
「22世紀ふぐ」はゲノム編集技術を用いて作成された食品であるため、その安全性に関する懸念が存在します。特に、安全性への疑念が広がっています。 - 生態系への影響への議論
「22世紀ふぐ」が通常のトラフグと異なる成長速度を持つため、生態系への影響についても多くの議論があります。 - 環境への影響
遺伝子組み換え魚が自然環境に逃げ出すことで、野生の個体や生態系に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。たとえば、遺伝子組み換えサケと野生のブラウントラウトが交雑することで、子孫の成長速度が速まり、競争力が高まることが示唆されています。
リージョナルフィッシュ「22世紀ふぐ」とふるさと納税
リージョナルフィッシュは、京都大学と近畿大学の共同研究によって生まれたスタートアップ企業です。
同社は「ゲノム編集による水産物の超高速品種改良」と「AI（人工知能）／IoT（モノのインターネット）を活用したスマート養殖」を組み合わせ、日本の水産業や地域経済の活性化に寄与し、世界のタンパク質不足問題を解決することを目指しています。
リージョナルフィッシュは、水産業界のイノベーションを追求し、一次産業を盛り上げることで、生きるうえで無くてはならない『食』を支える一次産業を盛り上げたいと考えています。
楽天「22世紀ふぐ」は、ふるさと納税の返礼品として提供しています。各ふるさと納税サイトをご確認ください。
まとめ
普通のトラフグよりも1.9倍の速さで成長する「22世紀ふぐ」が開発されたことに、驚きを感じました。
魚の価格が高騰している中、ふぐは高級魚ですが、「22世紀ふぐ」と同じように「22世紀さんま」「22世紀さば」「22世紀ぶり」など開発されれば、市場が安定してくるのではないでしょうか。
「22世紀ふぐ」のメリットとデメリットもありますが、実際のデメリットというより、人々の安全性の心理的危惧の問題のようです。
はたして、トラフグの未来は明るいのか、それとも暗いのか？ 安全性への危惧があれば、それを払拭する努力は続けられるべきです。
